Jump to content Jump to navigation Jump to navigation

「はじめは地獄のようでした。今はキャリアの終わりまでここに居たいと思っています。」オンドレイ・バルウィンが日本から語る。

28. 1月 2022

群馬クレインサンダーズに馴染むのは思ったより難しかったとオンドレイ・バルウイン選手は言う。2019年ワールドカップと2020年東京オリンピックのバスケットボールチェコ代表のスターセンターは、慣れない環境で辛かった時には、契約を取り消したいと思ったと語る。しかし現在、日本の環境に順応した彼は翌年も日本で続けたいという。

「冗談でなく、初めは本当に大変でしたよ。東京オリンピックの後、思いもよらなかった場所、文化の異なる国へいきなり放りだされたのですから。はじめはとても大変でした。」と、USK プラハからバスケットボール人生を始めたバルウインは語った。

スペインのセビリア、グラン・カナリア、ビルバオ、ドイツのミュンヘンでプレーしてきた彼は、これまでは違う生き方を経験することになった。運営体制が変わった後に、大きな前橋市から太田市へ移った群馬クレインサンダーズ。こじんまりとしていて快適な太田市の環境と優しい人々は彼には非常に心地よかった。

「4日目には精神的にとても疲弊してしまい、私のエージェントであるフリップ・パルンに電話をかけて、「もうここでは続けられない。ヨーロッパに何かないか?」と聞きました。「そんなふうに考えるのはやめなさい、あなたは日本へ行きたかったんじゃないのか?」とエージェントは言いました。彼はその後に、パトリック・アウダ(横浜ビーコルセアーズのセンター、チェコ出身のバスケットボール選手、バルウインの代表チームメイト)を訪ねることを勧めてくれました。もちろんパトリックと会いました。嬉しかったです。あの時日本を離れなくて本当に良かったと思っています。」と、バルウインは彼の過去の奮闘をこう話す。

アウダと群馬のチームの人々は、彼をたくさん支えてくれた。アウダとは毎日連絡をとりあっている。異なる生活様式と小さな町に住む苦労、更に217cmと背の高いバルウィンは身長に加えて言葉の苦労も抱える。日本語は簡単な言葉なら理解できる。「チーム内のコミュニケーションは良くとれています。私たちは英語で話すか翻訳者を介して話しています。でも普通の生活は大変ですよ。」

 

日本のバスケットボールリーグのレベルは意外

日本のバスケットボールリーグはヨーロッパのトップリーグのレベルにはないかもしれないが、私にとっては驚きだったことがある。「ここにはたくさんのユーロリーグ、ユーロカップ出場選手がいます。そして、彼らの選手としてのキャリアは続いている、つまり選手生命が長いのです。そしてリーグの競争も激しい。チェコバスケットボールリーグよりも少しレベルが高いと感じました。」

今の日本には残念ながら、チームに資金と将来性が十分あっても、日本人選手をより高いレベルへ導くことができるコーチがあまりいない。外国選手がたくさん起用されている理由がそれだ。リーグの規定では外国の選手を各チーム三人まで取得可能となっている。

「私たちのチームには二人の40歳の選手がいます。日本人には中年の選手に対する敬意がありますね。ヨーロッパでは30〜34歳で選手生命が終った後に、収入の良い仕事を探すことは簡単ではありません。しかし日本では難しくないですね。」

ファンたちの応援の仕方もヨーロッパと違う。「対千葉の試合で、三十点ぐらい負けた時に気付いたことなのですが、日本のファンたちはチームが負けてもサポートしてくれるのです。スペインでは負けた後にファンたちがチームを非難することは普通でした。日本のファンはそんな時でも、拍手で試合後のチームを迎えてくれるのです。」

「それも驚きでした。ヨーロッパでは試合の一部として、この種の緊張がいつもありましたが、この行動は日本文化から来るのでしょうね。」と、クレインサンダーズのセンターは思いを語った。

60試合のシーズン

日本バスケットボールのコロナによる影響は欧州より少なく、この時期に日本のチームにいたこはバルウインにとって幸運だった。日本のリーグでは週末に2試合あり、彼は60試合に出場できそうだ。

「できることならば、キャリアを終えるまでここにいられたら嬉しいなと思います。初めは難しかったことも、今はではほとんど慣れました。最初の2ヶ月と異なり、今はここが好きです。できれば日本に居続けたいです。」このシーズンの後、バルウィンの契約は終わる。

4月にシーズンが終わった後、バルウインは2022年9月のユーロバスケットトーナメントの準備を開始する予定だ。プラハ(チェコの首都)は、このトーナメントの主催都市の一つである。「長い夏になりそうです。シーズンの終わりの後、トーナメントまで4ヶ月程あります。たくさんの時間があるけど、何が起こるか分かりません。このトーナメントに出るのを楽しみしにしていますが、私はまだそこに向けての準備を始めてはいません。」とバルウインは言った。

← 記事に戻る